八ヶ岳 名水の里エリア

JoyFuL No.013

北杜の赤松で焼き上げる陶芸作品

大橋 睦さん
プロフィール

北杜市武川町
大橋 むつみさん(42)
恭子さん(40) 千晴くん(8) 青葉くん(6)
東京都多摩市より移住

窯焚きに適した土地を探し求めたどり着いた北杜市。広々とした広葉樹林に
満ちる日の光が、大橋さんの陶房『窯八(かまはち)』の中に差し込んで、
所狭しと並んだ陶芸作品の上で輝いています。

 宮城県仙台市出身の大橋さんは、山梨県に移住して17年目。東京都八王子市にある中央大学の学生時代、陶芸サークルに参加したことがきっかけで、陶芸家への道を歩み始めました。「大学の近所の陶芸家の所に遊びに行った時に、薪窯(まきがま)を知りました。薪で窯を焚くスタイルです。面白いと思って弟子入りして、3年経った頃に、雑誌で知った富士川町の登り窯を見学に行ったんですよ」。そして1996年の冬、富士川町で窯を焚くスタッフに誘われて山梨デビュー。富士川町の後、知人に誘われて共同窯を作ることになり北杜市へ移り、2001年、大学の陶芸サークルで一緒だった奥様と結婚し、やがて二人の男の子に恵まれました。
 「陶芸をするのに山梨がいいのは、窯を焚くのに最適な赤松が豊富だからです。特に峡北地域は赤松の宝庫です」。北杜市に窯を作るまで5年かけて理想に叶う土地を探したそうです。「煙が出ても大丈夫が大前提、開発の進度も気にしました。ここも10年前は鬱蒼とした森の中でしたが、今は別荘が増えてきました」。陶房の敷地内では建設中のハーフセルフビルドの新宅が年内に家族が引っ越してくるのを待っています。
 大橋さんは大の日本酒党。山梨の酒は、武の井酒造の青煌(せいこう)や萬屋醸造の春鶯囀(しゅんのうてん)、七賢がお気に入りだそうです。冬には北杜市にある七賢の蔵開きにあわせて酒器の展示会をします。「僕は日本酒党ですが、山梨と言えばワインですね。実は老舗ワイナリーの友人と共同で試行錯誤を繰り返して、陶器のワインカップを作ったんです。これが大好評でした。」と自慢の作品を見せてくれました。

山梨の空と緑が名付け親

 移住する前の山梨は、ただ山がある田舎という一括りのイメージだったそうです。ところが住んでみると、それぞれの地域によってカラーがあり景色が違っていました。同じ富士山でも北杜市から眺める端正な姿とは異なり、河口湖では裾野から目の前にそそり立ち、その迫力に声を失ったと言います。「北杜市の冬は、風の冷たさもあいまって刺すような痛い寒さです。夜はおどろおどろしい暗さ。窯焚きの時に、全ての明かりを消して、4、5日焚きつづけますが、星が凄いですよ。大小あり明暗ありの無数の星が降ってきそうです。星を見て何かを考えたくなる気持ちがよく分かります。」と言う大橋さん。「甲斐駒ケ岳を初めて見て、その猛々しさに感動の余り、子どもの名前を“甲斐”にしようと思ったくらいです。やはり子どもの名前は山梨に因みました。素晴らしい山梨のスカイブルーの空の青をとって、長男は千晴、次男の青葉は目の覚めるような山々のグリーンです。」と奥様。
 学校では少人数制のきめ細やかで家庭的な教育を受け、よその学年の子と遊ぶ姿が都会では見られない光景だと言います。「初めは毎日学校まで車で送迎していましたが、今では歩いて登校しています。できるだけ歩かせて登校させたいと思っています。雄大な自然とともに生活しながら、子どもたちの足腰を意識的に鍛えるようにしているんですよ。」と語る大橋さんでした。

(2013年7月取材)

特製のワインカップと焼酎カップを並べて。

特製のワインカップと焼酎カップを並べて。

 

陶房には所狭しと作品が並んでいます。

陶房には所狭しと作品が並んでいます。

 

自慢の薪窯。

自慢の薪窯。

 

北杜は、窯を焚く大事な燃料である赤松の宝庫です。

北杜は、窯を焚く大事な燃料である赤松の宝庫です。

 

山梨の自然を名に持つ子供たちは、自然に負けないくらい元気!

山梨の自然を名に持つ子供たちは、自然に負けないくらい元気!

 

子どもたちには心も体も強く大きく育ってほしいと言います。

子どもたちには心も体も強く大きく育ってほしいと言います。

 

ハーフセルフビルドの新宅に、今年中に引っ越す予定です。

ハーフセルフビルドの新宅に、今年中に引っ越す予定です。