八ヶ岳 名水の里エリア

JoyFuL No.017

白州から農のある豊かな暮らしを発信

田才泰斗さん
プロフィール

北杜市白州町
田才 泰斗たさい たいとさん(36) 
茨城県石岡市より移住

北杜市白州町で『ぴたらファーム』を運営する北海道札幌市出身の田才さん。
『半農半X(エックス)』に基づいた生活をしながら、都会に住む方々へ
人間本来の豊かな暮らしの提案をされています。

 小さい頃はムツゴロウさんに憧れて、いつか動物王国を作りたいと夢を抱いていた田才さんは北海道札幌市郊外の田舎の山育ち。「少年時代を自然に囲まれた環境で育ったことは自分にとって、とても大きいことでした。だから昔から自然は大切なものだと感じていました。」と田才さん。
 高校卒業後は島根の大学で森林学を専攻され、部活では山登りをされていました。北は出身地の北海道、南は沖縄まで、日本全国のさまざまな場所に行ったそうです。「沖縄では自分の知らない文化に触れ、大きいカルチャーショックを受けたと同時に心地よさを感じました」。これをきっかけにもっと世界中に行ってみたいという気持ちが芽生え、大学を1年間休学して、海外へ自分探しの旅に出かけたそうです。大学卒業後にも2年間、海外放浪。自分の視野を広げることができたと言います。「社会が成熟し分業化の進む日本では特に、本来一つの動物として身に付けているはずの生きる力を失っているように感じました。自分で住まいを作り、食べ物を育てる。そういうところから離れすぎてしまったから、生きがいを失ったり、お金はあるのに満たされないんだと思います。だから自分はしっかり大地に足をつけた暮らしをつくろうと心に決めて帰ってきました」。

『半農半X』の暮らしを求めて、北杜市白州町へ

 田才さんは旅を終え帰国してから『半農半X』という言葉に出会いました。『半農半X』とは小さな農のある暮らしをして、残り半分のXは自分の好きな事(仕事、天職)をするライフスタイルです。人生の目標として、この言葉を掲げた田才さんは、27歳の時に長野県で木工の修行を始め、30歳からは茨城県で農業の勉強を始めました。茨城に来てから3年半が経った時に、そろそろ独立しようと考えていたそうです。「経営学を勉強していた兄が大学院をちょうど卒業するタイミングと重なって、一緒にやらないかと誘われました。」と兄弟二人三脚でスタートを切りました。お兄さんが理想としていたのは『コミュニケーションファーム』。都会に住む人へ農業を通して、豊かな暮らしを伝えることでした。そんな理想の農場を実現できたのは、北杜市白州町でした。
 「長野で木工を辞めて、茨城へ行く時に白州を通っており、その時に良い印象がありました。兄は150km圏では人を呼ぶには遠すぎると言っていましたが、実際に来てみて、兄弟で一目惚れしてしまいました。僕たちの原風景に近い景色に惹かれたんだと思います。」と言う田才さんは半年間の準備期間を経て、『ぴたらファーム』を開きました。
 循環を大切に、自然のリズムに寄り添った健康な野菜作りをしながら、田植えやピザ窯づくり、味噌作りなどの体験イベントを随時開催。ファーマーズマーケットやアースデイなどのイベントにも参加し、農産物や加工品を売りながら、都会に住む方々へ人間本来の豊かな暮らしの提案をされています。

人間本来の生き方ができて、元気になれる場所

 『ぴたらファーム』のメンバーは現在6人。白州で、築100年以上の古民家に田才さん含め4人で共同生活をしながら、およそ100品目の農産物を栽培しています。お兄さんご夫婦は東京で働きながら、ファームの運営をされています。「複数人いるから加工品を作ったり、動物を飼ったりといろいろなことができます。こういった生活スタイルがビジネスモデルとして成り立てば、農のある豊かな暮らしが広がっていくと思います」。
 自然が豊かできれいな水や新鮮な空気があり、それらの自然の恵みを受けた美味しい食べ物のある白州は、田才さんにとって、人間本来の生き方ができて、元気になれる場所と言います。
 「もうちょっと経営が回るようになって、さらにゆとりを持った暮らしをしたいですね。『半農半X』の集合体みたいなものを、さらに複数人でやっていきたいです。」と田才さんはまた一つ上の暮らしを求めて、意気込んでいます。

(2013年7月取材)

築100年以上の古民家を借りて、4人で共同生活をしながら、およそ100品目の農産物を栽培しています。

築100年以上の古民家を借りて、4人で共同生活をしながら、およそ100品目の農産物を栽培しています。

 

自然との循環を大切にする『ぴたらファーム』。コンポストトイレもその思いの一つです。

自然との循環を大切にする『ぴたらファーム』。コンポストトイレもその思いの一つです。

 

敷地内にもたくさんの植物が生息しています。写真は山椒の木です。触るととても良い香りがしました。

敷地内にもたくさんの植物が生息しています。写真は山椒の木です。触るととても良い香りがしました。

取材中に出してくれた手作りスイーツ。やぎ乳を使ったゼリーをいただきました。

取材中に出してくれた手作りスイーツ。やぎ乳を使ったゼリーをいただきました。

 

取材中に、新鮮な野菜を収穫して頂きました。真ん中の黄色の野菜はコリンキーという生で食べれるかぼちゃです。

取材中に、新鮮な野菜を収穫して頂きました。真ん中の黄色の野菜はコリンキーという生で食べれるかぼちゃです。

 

『ぴたらファーム』の愛犬こかぶちゃん。落ち着いた様子で出迎えてくれました。

『ぴたらファーム』の愛犬こかぶちゃん。落ち着いた様子で出迎えてくれました。

 

愛犬カリンちゃん。広い庭を元気に走り回っていましたが、田才さんに捕まってしまいました。

愛犬カリンちゃん。広い庭を元気に走り回っていましたが、田才さんに捕まってしまいました。