富士山 富士五湖エリア

JoyFuL No.038

富士山の麓で送る半農半旅行業の暮らし

榎本祐子さん
プロフィール

富士河口湖町河口
榎本祐子さん(44) 
伊東正智さん(48)
東京都江東区より移住

日本を象徴する聖なる山・富士山に祈りを捧げつつ、ゆっくりとした時間の中で過ごす毎日。新鮮な空気とおいしい水があることに日々感謝しながら、心豊かに生きることが目標です。

 榎本さんご夫婦は、2012年7月に東京都江東区から富士河口湖町に移住しました。理由は2つ。ご主人は大の富士山好きで、トレイルランニングをしたかったから。そして榎本さんは自然農や無農薬のマクロビオティックを取り入れた『食農』に深い興味があり、自給自足の生活を目指している中で、すでに河口湖に移住して農業を営んでいる方たちの体験談に触れて共鳴したから。「3.11の大震災をきっかけに食べ物の安全性の大切さに気づいて、自分で食べ物を作りたいと思ったんです。東京にいた時は主人が食事係で、私はノータッチだったのですが」。富士河口湖農園が主催している「田んぼ塾」や「大豆クラブ」にはたくさんのメンバーがいて、関東圏から富士山麓にやってきて味噌作りや畑仕事などの農業体験を楽しんでいます。この体験をきっかけとして実際に移住される方もいるそうです。現在、地元の人たちと圃場(ほじょう)をシェアして、田んぼでは米を、畑ではトマト、なす、きゅうり、ピーマン、里芋と、作れるかぎりのものを作っています。普段の食事は間引きの野菜だけでまかなえてしまうそうです。
 太陽が輝く澄み切った大気と広々とした富士の裾野、深い闇と静寂に包まれる夜にも、すっかり慣れました。「この環境に慣れてしまったら、もう東京へは帰れませんね」。隣ではご主人の正智さんが深く頷かれていました。

“富士登山”ではなく“富士登拝”
富士山への畏敬の念を込めて

 自給自足を目指す農の暮らしの他に、本業として、榎本さんは旧姓を使って、ご主人ともにユニークなスピリチュアル・ツアーを企画する旅行会社「ちいろば企画」を運営しています。大手の旅行会社にはない企画が売りで、日本古えのスポット、たとえば和歌山は熊野古道、山形は出羽三山などで日本の高い精神性を学び、体験するという独自の視点から旅行を企画しています。
 日本古来、神聖なものとして扱われ、しめ縄や相撲の廻しにも使われる『大麻(おおぬさ)』、榎本さんのお宅では、玄関のノック部をそれで飾り、家内には神棚を作り、大麻と富士山を崇める心を祀っています。「富士山に登ることは“富士登山”ではなく、“富士登拝”です。単に登って降りるのではなく、富士山麓の浅間神社を巡り、富士信仰の聖地や龍穴、氷穴を訪ね、富士への畏敬の念を深く持って一合目から頂上を目指すのです。」と熱く語る榎本さん。人々に富士信仰の理解を広めていきたいと言います。
 山梨にご縁ができたのをきっかけに、富士山登拝ツアーや山梨桃狩りと農カフェツアーなどを企画して好評を博しました。今後も富士山と山梨県に特化したツアーを企画していきたいそうです。独立峰の富士山とはまた違った連峰の魅力を放つ八ヶ岳やアルプスにも興味を示します。「八ヶ岳は特別に波動エネルギーの高いものに包まれているんですよ。山梨のパワースポットを発掘したいですね」。山梨にまつわる興味深い旅の企画が生まれてくる日は遠くないようです。

(2013年6月取材)

夫婦そろって富士登拝。

夫婦そろって富士登拝。

 

なによりも田んぼ作りが楽しいです。

なによりも田んぼ作りが楽しいです。

 

収穫した大きな大根を抱えてご満悦。

収穫した大きな大根を抱えてご満悦。

 

富士河口湖農園で味噌作り体験をしました。

富士河口湖農園で味噌作り体験をしました。

 

ご主人の正智さんは、祐子さんの良き理解者。公私ともに支えあっています。

ご主人の正智さんは、祐子さんの良き理解者。公私ともに支えあっています。

 

家内に祀られた大麻(おおぬさ)。大麻とは神事に使う日本古来の道具のひとつ。

家内に祀られた大麻(おおぬさ)。大麻とは神事に使う日本古来の道具のひとつ。

 

日本の精神性の原点である富士山を崇めます。

日本の精神性の原点である富士山を崇めます。