八ヶ岳 名水の里エリア

JoyFuL No.004

発芽の喜び 結実の幸せ

池田元気さん
プロフィール

韮崎市穂坂町
池田元気げんきさん(32) 
美奈子さん(33) 良太くん(1)
千葉県成田市より移住

「ブドウの枝を冬に剪定(せんてい)して、春にちゃんと芽が出る。
当たり前のことかもしれませんけど、それがすごく嬉しいんです」。
山梨に来て4 年目の夏、池田さんが丹精して育てたブドウたちは大きな房を作り、収穫の時を待っています。

 以前は千葉県で配送の仕事に就いていたという池田さん、将来を考えた時に「じっくりモノを作ってみたい」と農業を志しました。農業関係の仕事を探していると目に留まったのが山梨県の『農業協力隊』事業でした。『農業協力隊』とは都市部から山梨県への移住、農業の研修を通じて就農を目指すことを推進するもので、山梨県の制度が特に充実していたことから、池田さんは山梨への移住を決意しました。県が推進している事業のため、移住に当たって特に不安はなかったと言います。
 農業協力隊での約2年の研修を経て、昨年より研修でお世話になった方から畑を借り受け、自分自身で栽培し出荷する農業をスタートさせました。「大変だろうなと思っていたら、やっぱり大変でした」。雨が降ったり降らなかったり、摘粒(てきりゅう)の時期には軽トラックのライトを灯して夜まで作業を続けます。自然相手の仕事は大変なことも多いですが、他の農家の方々や農協の指南を受け、自分でも工夫しながら少しずつステップアップしていきたいと話します。「去年はこれで失敗したから、今年はこうしてみようとか、工夫の仕方が色々あるのが楽しいですね」。

子どもがくれた地域とのつながり

 畑仕事で疲れた池田さんをご自宅で迎えてくれるのは奥様と1歳の息子さん。家族と過ごす時間を多く取れるのもこの生活の良いところ、愛息を膝に抱き池田さんの顔もほころびます。
 奥様の美奈子さんはご主人の決めた移住について「まさか本当にやると思わなかったから、好きにしたら?って言ってたんです。」と笑みを浮かべ話します。横浜で生まれ育ったという美奈子さん、田舎の生活に初めのうちは馴染めなかったそうです。そんな美奈子さんを変えたのは、息子の良太くんの誕生でした。「同じ団地の方や、保育園のママさん、子どもを通じて知り合う方が気さくな方ばかりで。今は山梨で子育てができて本当に良かったと思っています」。実家を離れて子育てをしている美奈子さんに、近所の方は「何かあったらいつでも聞いて!」と声をかけてくださるそうです。

家族のために山梨でやっていく

 池田さんのブドウ畑はお住まいからほど近く、富士山を見渡せる場所にあります。「天気の良い日に外で仕事をしていると本当に気持ちいいですね。」と池田さん。山梨での生活に徐々に馴染み、時間に追われてせかせかすることがなくなったと言います。
 それでも、忙しい時期には夜まで作業をしたり、これからは家族の手を借りなければならない場面も増えていくかもしれません。販路の拡大や栽培技術の向上、これから取り組まなければならない課題は山ほどあります。しかし、そんな苦労も家族の笑顔には代えられません。池田さんは「家族のためにここでやっていきます。」と決意を明かしてくださいました。

(2013年7月取材)

春先、枝の先が徐々に膨らみ始めます。

春先、枝の先が徐々に膨らみ始めます。

 

立派に実を張ったピオーネ、まもなく色づきだします。

立派に実を張ったピオーネ、まもなく色づきだします。

 

本からも知識を得て、ブドウの栽培に取り入れています。

本からも知識を得て、ブドウの栽培に取り入れています。

 

ご自宅のベランダからの眺め。外には一面ブドウ畑が広がります。

 

涼しい風が通り抜けるお住まい。良太くんは気持ちよさそうに眠っています。

涼しい風が通り抜けるお住まい。良太くんは気持ちよさそうに眠っています。

 

子どもと過ごす時間が多く取れる山梨での生活。すっかりイクメンになりました。

 

自然の中で、ご両親の愛情に包まれてすくすく育つ良太くん。

自然の中で、ご両親の愛情に包まれてすくすく育つ良太くん。