峡東 果樹王国エリア

JoyFuL No.047

都会の人にも田舎の良さを広めたい

磯田 功さん
プロフィール

甲州市塩山上萩原
磯田 功さん(63) 
美江子さん(62)
神奈川県茅ケ崎市との二地域居住

周りを気にせずに静かな場所で創作したい
そんな願いをかなえたのは甲州市でした。

 磯田さんご夫婦が神奈川県茅ケ崎市と山梨県塩山市(現 甲州市)で二地域居住を始めたのは20年前。当時は夫婦ともに小学校の教員をするかたわら、ご主人の功さんは趣味で木工制作をしていました。その腕前はコンテストで何度も入賞するほどだったといいます。「とにかく木工が大好きで、時間があれば制作していました。もっともっと極めたいと思いましたが自宅のある茅ヶ崎市ではなかなか音を出すことができないので、思いっきり木工制作ができる場所がないかと考えるようになりました」。静岡県伊豆市や神奈川県の相模湖周辺なども候補にあがったそうですが、なかなか納得のいく場所が見つかりませんでした。ある時、甲州市を訪れて「静かで落ち着いた良い場所だ。ここなら住んでみたい。」と思ったそうです。

土に触れて作ったものを食べるって本当においしいですね

 磯田さんご夫婦が二地域居住を始めてしばらくすると、ある考えが浮かんだそうです。「こんなのどかな自然の中で農作業をしたらどんなに楽しいだろうと思いました。いろいろ調べてみると周りに休耕田があることを知りました。知らない人にはなかなか貸してくれないと聞いたこともあましたが、熱意を込めて話したところ、快く貸してもらうことができました。実際にお米を作るのは大変でしたが、土に触れて作ったものを食べるのは本当においしいですね。小麦も作っていますが、畑で育ててからパンにするまでの工程をすべて自分でやっています。すごく楽しくて一度やったら病みつきになりますよ。」と、農作物を育て収穫する楽しみを話す功さん。奥様の美江子さんは「以前はよく山梨県内に観光に出かけましたが、今は田畑の作業が忙しくて、なかなか出かけられません。でもすごく充実していますよ。ヘトヘトに疲れても『いいスポーツだね』なんて冗談を言い合います。」と、忙しくも充実した二地域暮らしぶりをお話し下さいました。

多くの人に自然に触れあってほしい

 磯田さんご夫婦が在職中は、自身が勤める小学校の児童に少しでも自然に触れてほしいと思い、木のつるを持ち帰っては一緒に編んだり、アケビを持ち帰って、みんなで絵を描いてそれを食べたりしました。家庭科の授業では、磯田さん自らが育てた野菜を使って調理したそうです。
 二地域居住を始めて17年目を迎えた2010年に『Jizai Farm & Craft』を設立し、農業体験やワークショップを通じて、野菜やお米を育てて収穫し味わうといった人間本来の行為の大切さ、自然の素材を生かして工芸作品を生み出す楽しさの情報発信をしています。

『観光地ではない田舎』そんな雰囲気が好きです

 「ここは観光地ではありませんが、そこがいいですね。連休でも人は少なく静かで穏やかな気持ちになれます。ここで木工作品を作り、農作物を育て食べられるのは幸せなことです。都心から近いのに自然が多く、全く別の空間のようで、すごくいい場所ですよ。それを知らない人が多いと思うと残念でなりません。」と、都心からのアクセスの良さと、ありのままの自然があふれる甲州市の魅力について語ってくださった功さん。その言葉からは、甲州市の素晴らしさをもっと多くの人に知ってもらいたい、そんな願いが込められているようでした。

(2013年5月取材)

静かな空間が広がる甲州市塩山上萩原。

静かな空間が広がる甲州市塩山上萩原。

 

豊かな自然に囲まれた畑では、大切に育てられた野菜たちが収穫の時を待っています。

豊かな自然に囲まれた畑では、大切に育てられた野菜たちが収穫の時を待っています。

 

今年5月に開催された『第3回 大菩薩の風』。

今年5月に開催された『第3回 大菩薩の風』。

 

 『jizai』に並ぶ功さんの作品。

『jizai』に並ぶ功さんの作品。

 

西洋の妖精をイメージして作られた木工品。

西洋の妖精をイメージして作られた木工品。