峡東 果樹王国エリア

JoyFuL No.049

芦川は人が本来住むべきところ

安田 賢さん
プロフィール

笛吹市芦川町
安田 賢さん(44) 馨さん(45)
お子様3人
東京都葛飾区より移住

富士川の支流、芦川の源流部に位置する旧芦川村。
都会の便利さとはかけ離れた、この山村へ移住した安田さんは、
芦川には人の暮らしに必要なものは全て揃っていると言います。

 安田さんは兵庫県西宮市の山育ち。昔から自然と親しむことが大好きで、高校卒業し、就職のため上京後も、自然を求めてレジャーに出かけたそうです。「平日の仕事が終わった後、奥多摩などの東京近辺の山へ毎日のように行きました。休日には山梨にもよく出かけましたね」。
 そんな生活を続けていた安田さんですが、都会の便利さや騒がしさは腹一杯だったこと、また休日に出かけると必ず渋滞に巻き込まれるけど、反対車線はガラガラなことに違和感を覚えたそうです。「それなら反対側の田舎に住んで、用事がある時だけ都会に来ればいい。」と考えたことが移住のきっかけになり、山中湖村への移住を経て、笛吹市芦川町へ移り住みました。芦川に移住してからは、夢だった百姓仕事をしながら、村の宿泊施設の管理をされていました。「宿では芦川の特色を生かした体験イベントをしました。中でも芦川の田んぼを使った泥んこ運動会はとても盛況でしたよ。」と言う安田さん。都会の生活と変わって、芦川では大好きな自然の中でリラックスした生活ができたと教えてくださいました。

運命的に出会ったクライミング

 現在、クライミングジムの店長をされている安田さん。クライミングとの出会いは運命的なものでした。「子供が大きくなり、何かやらせたいと思いました。昔からスキーによく行ってましたので、子供にもやらせてみました。」と安田さん。毎晩のように、ナイタースキーへ連れて行き、芦川でも雪が降れば滑っていたそうです。シーズンが終わると、インラインスケートをするようになり、広くて平らな場所を求めて、甲府の小瀬スポーツ公園へ。この場所で偶然出会ったのが、高くそびえ立つクライミング場でした。「衝撃を受けて、登ってみたいと思いましたよ。それから子供と一緒に山岳連盟の講習を受け、クライミングを始めました」。最初は1ヶ月に2回程度登りに行ったそうですが、徐々にクライミングジムのスタッフと知り合い、ジムへ頻繁に通い始め、クライミングにのめり込んでいきました。一緒にクライミングを始めた長女のあとりさんは、みるみるうちに上達していき、現在では日本を代表するフリークライマーです。安田さんは「娘がここまで成長して、僕もクライミングから足を洗えない状態になりました(笑)。そんな時にオーナーから2号店を出すから、やってみないかと誘われたのが、現在の仕事のきっかけです。」と笑みを浮かべていました。
 今ではクライミングジムの店長をする傍ら、あとりさんをトップ選手まで成長させた能力を買われ、国体の監督もされ、山梨のクライミングの発展に貢献されています。

必要なものは全てある芦川での暮らし

 芦川に住む理由の一つに、阪神大震災で被災した経験がありました。「山中湖村に住んでいた頃、兵庫県の実家に帰省中に、震災に遭いました。実家の周辺は芦川と比べたら、ずっと街中で何でもあるところでしたが、震災によって、水も出ない、電気もつかない、物も情報もなくなり、何もなくなりました。便利なものがいっぱいあるように見えるけど、ライフラインが止まれば何も無くなる。これはダメだと思いましたよ。」と安田さんは言います。
 その経験から芦川は動物的に考えて、人が本来住むべきところだと言います。「芦川には自然から得られるものは全てあります。きれいな空気や水、畑や山で採れる農作物や野草、山菜。川魚や山にいる動物。都会ではお金を払って得るものが、お金を払わなくても得られるのが芦川の魅力です。」と教えてくださいました。
 芦川の自然を通して、豊かな生活をすることができる。クライミングを通して、たくさんの人と交流をしながら、楽しんで仕事ができる。充実した山梨での暮らしぶりを感じさせてくれる安田さんのお話でした。

(2013年5月取材)

クライミングジム ピラニア富士吉田店で店長を務める安田さん。

クライミングジム ピラニア富士吉田店で店長を務める安田さん。

 

初心者の方にも基礎から丁寧に説明して、クライミングの魅力を伝えていきます。

初心者の方にも基礎から丁寧に説明して、クライミングの魅力を伝えていきます。

 

気さくで明るい人柄の安田さん。ジムに通う方々にも大人気です。

気さくで明るい人柄の安田さん。ジムに通う方々にも大人気です。

 

安田さんの運命を変えた小瀬スポーツ公園のクライミング場。

安田さんの運命を変えた小瀬スポーツ公園のクライミング場。

 

この日は『第1回リード山梨カップ』が開かれ、とても賑わっていました。

この日は『第1回リード山梨カップ』が開かれ、とても賑わっていました。

 

この大会では安田さんが競技中のMCを担当。持ち前のトークセンスで大会を大いに盛り上げます。

この大会では安田さんが競技中のMCを担当。持ち前のトークセンスで大会を大いに盛り上げます。