峡東 果樹王国エリア

JoyFuL No.057

震災を乗り越え、新たな暮らしを甲州市で

若林正樹さん
プロフィール

甲州市塩山
若林正樹さん(41) 淑子しゅくこさん(31)
宮城県仙台市より移住

東日本大震災で被災したことをきっかけに移住を考えた若林さんご夫婦。
辿り着いたのは自然と人の温かさが溢れる山梨県甲州市でした。
移住して以来、この地で活き活きとした生活を送られています。

 移住前は宮城県仙台市に住んでいた若林さんご夫婦。東日本大震災で被災したことをきっかけに山梨へ移住されました。「震災の3ヶ月前に母が脳梗塞を発症して、自宅で療養していました。震災が起きてから1時間に3、4回ぐらい余震があったのですが、療養中の母に余震のストレスがかかって病気が重くならないうちに、避難しようと考えたことが移住の経緯です。」とご主人の正樹さんは言います。
 移住先は、親戚が多い東京方面で考えられていましたが、各地方自治体ごとで震災の被災者の受け入れについて、温度差があったそうです。その中で、若林さんご家族の移住を受け入れてくれたのは、山梨県甲州市でした。「甲州市は震災が起きてから、いち早く被災者の受け入れをしていて、私たちにも『身一つで来て下さい』と温かい声をかけて下さいました。4月末に下見に来たのですが、国道20号線から見えた桃源郷の景色に感激してしまって、『こんなところあるんだ』と思いました。」と奥様の淑子さん。震災で荒んでいた心を桃の花が癒してくれたと若林ご夫婦は教えて下さいました。

自然に寄り添いながら、
人の温かさに触れられる生活

 淑子さんは移住するまで、山梨がどこにあるのかも知らなかったそうですが、移住後はどこかホッとする印象を受けたと言います。「仙台市の山側の田舎で育ったので、山梨の生活に違和感はありませんでした。自然豊かで、風景もきれいですし、行政の対応も良かったです」。
 一方、東京都吉祥寺ご出身で都会育ちの正樹さん。東京に住んでいる時は、山梨にもよく遊びに来たそうですが、実際に住んでみて、都会と田舎との生活のギャップを感じたと言います。「移住してしばらくは山梨市三富にある『笛吹の湯』に勤めていました。今住んでいる甲州市塩山よりさらに山の深い場所でしたので、山の仕事に慣れるのは大変でしたね。でも三富に住む方々が、心を洗うような優しさで接してくれました。疲れた顔をしていれば、声をかけていただいて元気づけてくれたり、毎日色んなものを頂いたり。人の財産が残っている場所だなと実感しました。」と正樹さん。移住した初めに、この職場で働けたのはとても大きかったと言います。
 若林さんご夫婦は山梨に住み始めて、自然に寄り添った暮らしができて、地域を大事にしている人の温かさに触れられるのは、大きな魅力だと感じているそうです。

地域を盛り上げながら、
活き活きとした夫婦の暮らし

 移住前の仙台市では、飲食店で料理長を務めていた正樹さんですが、2013年10月より様々な創作麺料理を提供する居酒屋『再生麺酒場 一等席』を、お住まいの甲州市塩山にオープンさせる予定です。「峡東のグルメというと、ほうとうがメインになっていますが、他にも昔ながら残っている美味しい料理もたくさんあります。こういったものを大事にしながら、地域に定着するような新しいメニューを開発したいと思っています。そのレシピを地元の方々と共有し合えて、交流が深められたら良いですね」。正樹さんは新しいお店を開くことによって、この峡東地域を盛り上げていきたいと考えています。
 淑子さんは山梨へ移住してから、フェイクスイーツ作りを始め、毎週日曜日にはイベント出店して販売し、月1回は教室を開き、フェイクスイーツの魅力を広めています。「仙台にいた時に、会社の同僚がフェイクスイーツを作っていて、私も山梨に来てから始めました。意外とこの地域の子ども達が好きみたいで、喜ばれています」。いろんな方々がイベント出店して、気軽に自分で作ったものを売りながら楽しんでいるのを見て、自分もやってみたいと思ったのも始めたきっかけと言います。
 お互いに活き活きとした暮らしをする若林さんご夫婦。これからも山梨での暮らしの楽しみは増すばかりです。

(2013年9月取材)

東日本大震災に被災したことが移住されたきっかけですが、山梨で活き活きとした生活を送っています。

東日本大震災に被災したことが移住されたきっかけですが、山梨で活き活きとした生活を送っています。

 

自然に寄り添った生活を送る若林さんご夫婦。自然の中で色々な発見があるそうです。

自然に寄り添った生活を送る若林さんご夫婦。自然の中で色々な発見があるそうです。

 

山梨へ移住してから、まるで自然の一部になっているように感じると言われていました。

山梨へ移住してから、まるで自然の一部になっているように感じると言われていました。

 

奥様の淑子さんが作っているフェイクスイーツ。地元の子ども達にも人気のようです。

奥様の淑子さんが作っているフェイクスイーツ。地元の子ども達にも人気のようです。

 

淑子さんが甲州市塩山のNPO法人『コロボックル』主催の『ゴゴイチ』にイベント出店した時の写真。

淑子さんが甲州市塩山のNPO法人『コロボックル』主催の『ゴゴイチ』にイベント出店した時の写真。

 

ご主人の正樹さんは2013年10月より創作麺料理を提供する居酒屋『再生麺酒場 一等席』をオープンさせる予定です。

ご主人の正樹さんは2013年10月より創作麺料理を提供する居酒屋『再生麺酒場 一等席』をオープンさせる予定です。