峡東 果樹王国エリア

JoyFuL No.058

横浜の八百屋さんから山梨の巨峰農家へ

青木栄一さん
プロフィール

山梨市牧丘町
青木栄一さん(45)
つとむさん(73) 安子さん(68)
神奈川県横浜市より移住

横浜市で八百屋を営んでいた青木さんは、山梨市牧丘町で巨峰農家を
されています。農業経験はありませんでしたが、山梨の人々の温かい人柄に
助けられながら、美味しい巨峰を栽培されています。

 移住前は野菜や果物を売る立場だった青木さんですが、山梨での体験をきっかけに作る楽しさに目覚めました。「ワインが好きだったので、山梨にはちょこちょこと来ていましたが、勝沼醸造さんの栽培体験に参加して、『作るっていいな』と感じました。」と青木さんは言います。
 ご両親が八百屋を始めてからおよそ40年間、地元の方に青果市場から仕入れた新鮮な野菜や果物を提供されていました。しかし近隣に大型スーパーができてから、競争の中で生き残っていくのは難しいだろうなという思いが、日に日に強くなったと言います。価格競争に躍起になるよりは、もうちょっと別なことにエネルギーを費やしたい。それなら自分たちが作ったものを生産して売るような方向へシフトしようと、売る立場から作り手へ変わる決心をされました。
 「八百屋をやっていたので、山梨の果物にはすごく良いイメージがありましたし、神奈川からのアクセスを考えても、移住先として山梨が良いと思いました。」と言う青木さん。現在の住まいを購入され、ご両親と一緒に山梨へ移住されました。

人情深い山梨の人々の人柄に支えられ、作り手へ

 今まで八百屋の経営をしながら野菜や果物に親しまれていましたが、農業については未経験だった青木さん。職業訓練の一環で、北杜市長坂町にある農業大学校へ通い、野菜の栽培の勉強をされました。牧丘町はぶどうの王様『巨峰』の大生産地として有名ですが、さすがにぶどう園を借りるのは難しいだろうと考えていた青木さん。「半年間の研修でしたが、卒業する頃に近所に住んでいる園主さんからぶどう園を貸していただく手筈になりました。大学校でぶどう栽培の勉強はしていませんでしたので、山梨県のアグリマスター制度を利用しました」。
 アグリマスター制度とは、実践的な農業技術の習得、農地等の確保、地域住民との人間関係の形成等を図るため、新規就農者の育成に対して高い見識と能力を有する農業者等をアグリマスターとして認定し、アグリマスターの下で長期研修を実施することにより、新規就農者の確保・定着を促進するという県の事業。
 「牧丘町でお世話になっていた農家の方にアグリマスターになっていただいて、その方のところで教えを乞いながら、巨峰作りをしました。」と教えて下さった青木さん。アグリマスターのご指導や農協の営農指導員の助けもあり、1年目からうまく栽培ができたそうです。
 「山梨の人は面倒見が良くて、誰かが困っているのをほっとけないって感じの方が多いですね。地域の自治会に入って、少しずつ私の存在が認知されるようになってから、良いお話や情報をいただけるようになりました。県外から来た身ですが、仲間に入れていただけたのはありがたいですね。」と人情深い山梨の人々の人柄に触れながら、巨峰農家としてのスタートを切りました。

農家として一歩ずつ着実に

 山梨に移住してから深い人間関係を築きながら、巨峰農家を始めて4年目になりました。今でも知識の蓄積が足りないから、何かあった時に対処できるか不安と語る青木さんですが、一歩ずつ前に進んでいます。現在では巨峰だけではなく、さくらんぼや野菜の栽培、養鶏など行い、農家としての幅も広げています。
 「徐々に仲間も増えてきて、桃やさくらんぼを作る友達もできました。物々交換ではないですが、桃をもらったら、ぶどうをあげたりという楽しみもできましたし、生産者の顔が見えるものを食べられます。あと富士山を毎日見られるのも良いですね。」と移住前では経験できなかった魅力に触れられているようです。
「いずれはワイン用ぶどう品種の栽培もしてみたい」と意気込む青木さんですが、牧丘町でずっと暮らしていくので慌てずにやっていきたいと、落ち着いた様子で語られていました。

(2013年6月取材)

ぶどう畑が広がる丘の上にご自宅はあります。見晴らしも良く、素晴らしいロケーションです。

ぶどう畑が広がる丘の上にご自宅はあります。見晴らしも良く、素晴らしいロケーションです。

 

ご自宅の敷地の中にもたくさんの作物がすくすくと育っています。

ご自宅の敷地の中にもたくさんの作物がすくすくと育っています。

 

横浜で八百屋を営んでいた青木さん。周りの方々の支えもあり、念願だった作り手になれました。

横浜で八百屋を営んでいた青木さん。周りの方々の支えもあり、念願だった作り手になれました。

 

巨峰栽培を始めて4年目。日々、知識や技術を磨きながら、真面目なぶどう作りをされています。

巨峰栽培を始めて4年目。日々、知識や技術を磨きながら、真面目なぶどう作りをされています。

巨峰の他に、野菜の栽培もされています。トマトや茄子など、種類も豊富です。

巨峰の他に、野菜の栽培もされています。トマトや茄子など、種類も豊富です。

 

ご両親の孜さんと安子さんと一緒に美味しい巨峰作りをしています。

ご両親の孜さんと安子さんと一緒に美味しい巨峰作りをしています。