南アルプス 富士川エリア

JoyFuL No.070

野山で自然を学ぶ子どもたち

岩崎訓久さん
プロフィール

南部町福士
岩崎訓久くにひささん(44)
悦子さん(43) 敏久くん(10) 祥子ちゃん(8)
千葉県千葉市より移住

染織職人の岩崎さんご夫婦は、山梨県最南端の町、南部町に移住して15年になります。これまで国内数か所で暮らしてきましたが、気候が良く、地域の人たちが陽気な性格で親しみやすい南部町は、一番暮らしやすいと言います。

 染織業は、大きな織り機などの道具を必要とします。千葉県に住んでいた頃は満足なスペースが無く、機械が置ける一軒家はないかと探し始めたのが移住のきっかけだったと言います。
 一度は同じ南部町内の別の場所に家を借りて、自宅兼工房として生活していましたが、長男の敏久くんが生まれた事や、更に広い工房が欲しい事もあり、物件を探していたところ、当時空き家だった古民家を見つけました。「長い間空き家だった為に、すぐに住めるような状態ではなく、ひとまず工房だけを移しました。」と当時を振り返る訓久さん。
 屋根は錆びており、庭も手入れしなければ暮らせないような状態でしたが、補修や手入れを行い、2年前に移り住みました。

人が陽気、気候も陽気な南部町

 南部町の印象を、岩崎さんご夫婦に尋ねると「夏は涼しく、冬もそれほど寒くなく過ごしやすい気候です。そして何よりも人の良さですね。陽気な人が多く、移住してきたばかりの時も、すぐに打ち解ける事ができました。」と話します。
 訓久さんは、「僕は東京で生まれ育ちましたので、自然を感じるのはセミの鳴き声を聞く時だけで、カブト虫は捕まえるのではなく、デパートで買うという感覚でした。南部町では網戸にクワガタが留まり、ウサギが庭に出てくることはしょっちゅうです。」と、子どもの頃には味わう事のできなかった自然との触れ合いを、南部町で経験できたと言います。

豊かな自然の中で、時代の最先端をゆく子どもたち

 自然の中での子育てについて悦子さんは「子どもたちは、その辺に自生している木苺や蕨(わらび)の食べごろの時期や、生息している場所を知っていてよく採ってきますよ。自然に育ったものを採って食べるという、生き物の本来の姿を学べるのは、自然に囲まれた生活ならではの経験です。」と笑顔で話します。
 そして、自然の中で育ちながらも、現代っ子らしさもあると悦子さんは言います。「携帯型ゲームをやっている姿を見ると、現代の子どもだなって思いますね。ゲーム機でインターネットを通じて、色々な世代や海外の人たちと遊び、会話もしています。自分たちが子どもだった頃は、考えられませんでしたよ。」と話します。
 情報インフラが整備された今日では、沢山の自然に囲まれながら、世界と繋がる事もできる現代の田舎暮らしのあり方を、教えていただきました。

(2013年7月取材)

展覧会で東京や静岡に行く機会も多いですが、新東名高速道路が近いため、アクセスしやすいです。

展覧会で東京や静岡に行く機会も多いですが、新東名高速道路が近いため、アクセスしやすいです。

 

岩崎さんのご自宅は、リフォームや庭の手入れが行き届いており、築130年の古民家とは思えないほどです。

岩崎さんのご自宅は、リフォームや庭の手入れが行き届いており、築130年の古民家とは思えないほどです。

 

岩崎さんのご自宅前の道を、沢蟹が横断していました。自然に囲まれた環境ならではの光景です。

岩崎さんのご自宅前の道を、沢蟹が横断していました。自然に囲まれた環境ならではの光景です。

 

訓久さんと悦子さんは、岐阜県の飛騨国際工芸学園で、染織を学びました。

訓久さんと悦子さんは、岐阜県の飛騨国際工芸学園で、染織を学びました。

「いろいろな視点から『よい織物』を織っていきたい。」と岩崎さんご夫婦。

「いろいろな視点から『よい織物』を織っていきたい。」と岩崎さんご夫婦。