甲府盆地 まちなかエリア

JoyFuL No.077

花火の町に暮らし、花火の道をきわめる

大杉しのぶさん
プロフィール

市川三郷町市川大門
大杉しのぶさん(34) 
宮城県仙台市より移住

マルゴーの花火に魅せられ、
ここで花火を作りたい一心で市川三郷に来た大杉さんを、
地域の方は温かく迎えてくれました。

 大杉さんが山梨県に移住したのは2012年2月、株式会社マルゴーへの就職がきっかけでした。
「ただ花火を作りたいというだけで、全然まるっきり何も考えないで来てしまいました。」そんな大杉さんを地域の方は温かく迎えてくれたといいます。
 単身で移住し、右も左も分からなかった大杉さんに、地域の方は何くれとなく力になってくれました。近所の方がほうとうや天ぷらなどの料理を差し入れてくれるというお話には、大杉さんを歓迎する気持ちと温かい心遣いが感じられます。
 こちらへ来てから優しい人ばかりと知り合っていると話す大杉さん、周囲の人の温かさに支えられ、花火師の仕事に集中する日々を過ごしています。大杉さんと同じように花火を愛する市川三郷町の土壌が、花火の道に進む大杉さんを後押ししているようです。

夏の夜空を鮮やかに彩る、気持ちを込めた花火

 地元にいた時から憧れていたマルゴーで働き、人間関係にも恵まれ、充実した日々を過ごしているという大杉さん。しかし、宮城県出身の大杉さんにとって、震災後に故郷を離れることには大きな葛藤があったそうです。「自分の気持ちだけで山梨に行ってもいいのか、宮城に残ってやっていくべきなのか、とも思いましたね。」それでも大杉さんを突き動かしたのは『本場山梨でいい花火を作りたい』という強い気持ちでした。
 高い技術を持った花火会社が多くある山梨で腕を磨き、いつか地元や被災地で自分の作った花火を上げることが夢だとお話しくださいました。
「故郷で花火を上げられたら少しは恩返しになるのかな。花火を見てもらったら、みんなわかると思うんですよ、山梨に行った理由が」。
 故郷を想う気持ちがありながらも、花火師として、これからもずっと山梨で暮らしていきたいと話す大杉さん。「いい玉を作っていきたいですね。誰も見たことがないような、きれいな玉を、ここのみんなで作りたいです」。
 市川三郷町の山間、青々とした木々に囲まれたマルゴーの工場で、大杉さんはひとつひとつの花火の玉に気持ちを込め続けています。

(2013年7月取材)

花火の鮮やかな色を作り出す「星」、火薬を幾重にも塗り重ねて丸い形を作ります。

花火の鮮やかな色を作り出す「星」、火薬を幾重にも塗り重ねて丸い形を作ります。

 

玉の内側に星を隙間なく並べていきます。「先輩方は技術が高く学ぶことばかりです」と大杉さん。

玉の内側に星を隙間なく並べていきます。「先輩方は技術が高く学ぶことばかりです」と大杉さん。

 

花火の町として知られる市川三郷町で行われる「神明の花火大会」。丹念に込めた玉が市川三郷の夜空に花開きます。

花火の町として知られる市川三郷町で行われる「神明の花火大会」。丹念に込めた玉が市川三郷の夜空に花開きます。

 

広い幅でダイナミックに上がる花火が神明の花火の魅力。

広い幅でダイナミックに上がる花火が神明の花火の魅力。

 

神明の花火大会で打ち上げる予定の玉を手に工場長と。丹精込めた玉を宝物のように大切に扱います。

神明の花火大会で打ち上げる予定の玉を手に工場長と。丹精込めた玉を宝物のように大切に扱います。