甲府盆地 まちなかエリア

JoyFuL No.078

小さな工房で手作りの一点一点が生まれます

丸山 学さん
プロフィール

甲斐市万才
丸山 学さん(35) 那美なみさん(32)
大阪府豊中市より移住

もし伝統工芸の甲州印伝と
自分の技術や個性とがコラボできたら―
夢は鹿と牛の出会いです。

 丸山さんが今年5月に新装開店した『エムズクラフト』は、革とジュエリーの工房兼店舗です。工房に所狭しと並んだ作品。その奥は、左側が皮革製作、右側がジュエリー製作と作業場が分かれています。
 「父親の仕事が宝石関連だったので、いつも貴金属に親しんでいましたし、根っからモノ作りが好きなので、気づいたら宝石職人の道をめざしていました」。貴金属の産業が盛んな所と言えば山梨県。丸山さんは、18歳で大阪府から山梨県へ移住を決意しました。最初の2年間は、手作り貴金属工房で飾り職人の修行。一枚の金の地金から花びらを造りだしブローチを仕立てました。20歳で移った貴金属ジュエリーの会社では、15年間、指輪やネックレスのリメイクを手がけました。
 並行して皮革製作を始めたのは、大好きなハーレーのアクセサリーにぴったりだと気づいたから。「なんといっても山梨は貴金属のメッカ。競争相手が多いです。皮革の分野なら自分の個性を存分に伸ばせそうという思いもありましたね」。受注してから、1点1点革選びからデザインまでこだわって手作りで仕上げます。
 丸山さんはかねてから印伝の技術に驚嘆しつづけてきたそうです。鹿革を使った山梨県伝統工芸の甲州印伝。「皮革の魅力は、使い込むほどに出てくる光沢や風合い。財布や定期入れの本体が年月とともに深く色が染み込んで最も美しく輝く時に、残念ながら横の部分が消耗して切れてしまっているのをよく見かけます。印伝の製品もあの美しい革の表情とうらはらに擦り切れた側面の部分のギャップがいつも気になって、あそこを牛の革で補正したら・・・自分の技術と個性が伝統工芸の甲州印伝とコラボしたら・・・って、勝手に夢を膨らませているんですよ」。尊敬する人は“欲のない昔の職人さん”と言う丸山さんの瞳の輝きは本物です。

富士山を裾野から仰ぎ、
富士五湖をハーレーで走り抜ける

 ロックンロールとハーレーを愛し、ボーリングシャツをオールディーズ風に粋に着こなす丸山さん。お気に入りの休日の過ごし方は、キャンプやバーベキューです。夏は家族やバイク仲間とともに山梨県内外へ出かけて楽しみます。県内の穴場は、境川や増富温泉。「移住前は、山梨は単純に山だらけの所と思っていましたが、生活者になって実感したのは囲まれた山々とともに自然に直結している盆地の姿でした。海の代わりにすばらしい湖があって、富士山が裾野から見られます。富士五湖をハーレーで走り抜ける気分は、たとえようもないですよ」。最近なぜか富士山をすごく身近に感じると言います。
 17年の歳月。はじめて甲府に来て駅前にズデンと鎮座している武田信玄公の像を見て目を見張ったことや、山梨の方言が分からなくて誤解を招き、上司に叱られたこと。「『起こしちょし』の『ちょし』が否定の意味と知らずに先輩を思い切り起こしてしまって」。職場結婚した奥様と顔を見合わせて昔懐かしいやり取りを語ってくれました。奥様のご実家は甲府市にある瑞岩院。まさに山梨の地元っ子の奥様の支えも得て、丸山さんは着実に山梨に根を張っているようです。

(2013年6月取材)

確かな技術を培った丸山さんの指先から華麗なテクニックが繰り広げられていきます。

確かな技術を培った丸山さんの指先から華麗なテクニックが繰り広げられていきます。

 

工房の左側は、皮革製作作業場です。

工房の左側は、皮革製作作業場です。

 

工房の右側は、ジュエリー製作作業場です。

工房の右側は、ジュエリー製作作業場です。

 

皮革製品の数々。

皮革製品の数々。

 

美しいジュエリー製品。

美しいジュエリー製品。

 

工房の壁には大好きなアメリカの車のナンバープレートが飾られています。

工房の壁には大好きなアメリカの車のナンバープレートが飾られています。

 

富士五湖をハーレーで走り抜けるのは最高です。

富士五湖をハーレーで走り抜けるのは最高です。

 

新婚旅行先のハワイでもハーレーの走りを満喫。

新婚旅行先のハワイでもハーレーの走りを満喫。